グレイから等価線量と一組織の実効線量寄与を計算
一つの組織の吸収線量、放射線加重係数、組織加重係数から等価線量と実効線量への一組織分の寄与を端末内で計算します。実効線量全体や健康影響は判定しません。
計算結果
結果は指定した物理量・係数の算術結果です。健康影響、安全・危険、診断、治療、避難、就業可否、法令適合を判定せず、個人線量評価を保証しません。
- 対象組織の等価線量
- — Sv
- 対象組織の実効線量への寄与
- — Sv
- 対象組織の等価線量
- — mSv
- 対象組織の等価線量
- — µSv
- 対象組織の実効線量への寄与
- — mSv
- 対象組織の実効線量への寄与
- — µSv
使い方
- 対象とする一つの組織・臓器について、平均吸収線量をグレイ(Gy)で入力します。装置の表示値がGy以外なら、単位を確認してからGyへ換算してください。
- 同じ組織に入射した放射線の種類とエネルギーに対応する放射線加重係数w_Rを、ICRPなどの一次資料で確認して入力します。中性子はエネルギー依存なので、名称だけから選びません。
- 対象組織の組織加重係数w_Tを、採用する勧告の同じ版から確認します。異なる勧告年のw_Rとw_Tを混在させないでください。
- 計算後は等価線量H_Tと、w_Tを掛けた一組織の寄与を分けて読みます。後者を全身の実効線量全体とは扱いません。
- 研究・教育上の検算に限って使い、個人の健康影響や医療判断、放射線防護上の安全・危険の結論には使わないでください。
計算式・考え方
対象組織Tの吸収線量をD_T、放射線加重係数をw_Rとすると、単一の放射線について等価線量は H_T = D_T × w_R です。その組織が実効線量へ与える寄与は w_T × H_T です。実効線量全体Eは全組織の寄与の総和であり、このページの1組織分だけでは確定しません。
注意事項
- グレイは物質1kg当たりに吸収されたエネルギー1Jを表す吸収線量の単位です。シーベルトは等価線量や実効線量など放射線防護量に使われます。単位名だけを置き換えるのではなく、どの量を計算しているかを先に区別します。
- 環境省の統一的な基礎資料は、組織・臓器ごとの吸収線量へ放射線加重係数を掛けて等価線量を求め、その後に組織加重係数を使って全組織の寄与を加える流れを説明しています。本ページもこの順序を崩しません。
- 全身へ一様に同じ吸収線量が与えられたという特殊な仮定では、組織加重係数の合計が1であることから数値関係が単純になります。しかし実際の被ばくが一様だと自動で仮定せず、表示は常に一組織の結果です。
- 光子、電子、陽子、アルファ粒子などでw_Rは異なります。さらに中性子のw_Rは入射エネルギーの連続関数です。線源名、核種名、装置名だけからエネルギースペクトルを推定できないため、係数の自動プリセットを置いていません。
- 組織加重係数は個人固有の感受性を表す診断値ではなく、放射線防護のための基準集団に基づく係数です。入力したw_Tから特定個人の発がん確率や臓器障害を計算することはできません。
- 複数の放射線種が同じ組織へ寄与する場合、本来の等価線量は放射線種ごとのD_T,R×w_Rを合計します。このページは一度に一つの組合せを計算するため、混合場では各成分の一次資料と線量を別々に確認する必要があります。
- Gyで示された測定値が空気吸収線量、物質中の吸収線量、装置出力のどれかによって意味は異なります。対象組織の平均吸収線量ではない値を入力しても、個人の等価線量にはなりません。測定量の定義を確認してください。
- 結果にはSv、mSv、µSvを併記します。1 Sv=1,000 mSv=1,000,000 µSvです。途中値を表示桁へ丸めずに乗算し、表示だけを最大15有効数字に整えます。小さい値は科学表記になる場合があります。
- 入力上限は非有限値や桁違いを止める技術上の範囲です。上限内であることは許容、安全、法令適合を意味しません。逆に入力範囲外であることも、健康影響の発生を意味するものではありません。
- 式と用語は2026年7月17日に環境省、原子力規制庁、ICRPの一次資料で照合しました。公式ホスト名と参照パス: www.env.go.jp/chemi/rhm/current/02-03-04.html 、www.nra.go.jp/data/000360332.pdf 、www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP%20Publication%20103 。
- ICRP 2007の中性子加重係数では50MeVを超える枝に3.25が使われます。ただし本ページはエネルギーからその式を自動評価しません。利用者がスペクトルと適用目的に合う係数を一次資料で確認する設計です。
- この計算は放射線防護量の定義を学ぶための算術支援です。医療照射の計画、患者線量評価、職業被ばく管理、事故時の行動判断では、校正された測定、照射条件、専門家による線量評価が別に必要です。
- 入力と結果の次元を追うと、吸収線量D_TはGy、放射線加重係数w_Rと組織加重係数w_Tは無次元、等価線量H_Tと実効線量への寄与はSvです。係数を掛けても数値だけを単位換算しているわけではなく、線量の意味が段階ごとに変わります。測定値の名称と単位を先に確認すると、GyとSvを同じ量として扱う誤りを避けられます。
- 複数の放射線種類が同じ組織へ寄与する場合は、種類ごとにD_T,R×w_Rを求めてから合計するのが基本です。また複数組織を対象に実効線量を組み立てる場合は、各組織のH_T×w_Tを個別に求めて合計します。この計算機はそのうち一つの放射線種類・一つの組織の組合せを確認するためのページです。
- 組織加重係数の総和が1になるという関係は、勧告で定義された全組織を同じ条件で漏れなく扱った場合の関係です。一つの組織だけを入力した結果へ、未入力の組織の寄与は含まれません。結果名を『一組織の実効線量寄与』としているのは、全身の実効線量との取り違えを防ぐためです。
- 元の吸収線量や係数に有効数字・測定不確かさがある場合、計算結果の桁数を増やしても精度は上がりません。画面では小さい値を読みやすくするため科学表記を使うことがありますが、報告や比較では入力資料の有効数字へ合わせて丸め、使用したw_R・w_Tの出典と版を併記してください。
- 計算例を再確認するときは、まずw_R=1、w_T=1を入れてH_Tと寄与が吸収線量の数値に一致することを確かめ、次に実際の係数へ戻すと入力ミスを見つけやすくなります。ただし、この確認用の係数1が対象条件へ適用できるという意味ではありません。最終値には必ず対象となる放射線種類・組織に対応した係数を使います。
- w_T×H_Tは、採用した勧告のReference Personと放射線防護量の体系で実効線量を構成する一項です。特定個人の臓器吸収線量から、その人に固有の実効線量寄与や将来リスクを確定する計算ではありません。個人の詳細な遡及線量評価とは目的と前提が異なります。
- 結果は指定した物理量・係数の算術結果です。健康影響、安全・危険、診断、治療、避難、就業可否、法令適合を判定せず、個人線量評価を保証しません。
よくある質問
1 Gyは常に1 Svですか?
いいえ。対象組織の等価線量はGy値に放射線加重係数を掛けます。さらに実効線量全体には全組織の等価線量と組織加重係数が必要です。
結果の『実効線量への寄与』が実効線量ですか?
一組織分の寄与だけです。全体は対象となる全組織の寄与を足し合わせた量で、このページは総和を断定しません。
中性子のエネルギーを入力してw_Rを出せますか?
出しません。エネルギースペクトルと適用条件の確認が必要なため、一次資料で確認したw_Rを入力します。
この結果から健康影響を判断できますか?
できません。物理量の乗算結果だけで、安全・危険、症状、発がん確率、診断、治療を判定しません。
吸収線量と係数は利用者のブラウザ内だけで計算され、外部APIへ送信・保存されません。個人名、施設名、患者情報を入力する欄はありません。共有端末ではコピー先の管理にも注意してください。